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17- I- 0013 201 7 年 6 月 1 6 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
日本国
(証券コード:−)【据置】
外貨建長期発行体格付 AAA
格付の見通し ネガティブ
自国通貨建長期発行体格付 AAA
格付の見通し ネガティブ
■ 格付事由
(1) 格付は、高度に発展した経済構造と世界第一位の対外純資産、多額の家計貯蓄を背景にした国債の安定的 な国内保有及び消化構造、経済の緩やかな回復とデフレからの脱却に向けた動き、財政健全化と経済成長 実現に向けた経済政策の継続的実施を評価している。他方、恒常的な財政赤字を背景とした巨額の政府債 務が格付の下押し要因となっている。16 年度の実質 GDP 成長率は前年度比 1. 2%となり、経済は緩やか な回復基調にあるものの、中期財政試算の「経済再生ケース」が想定する 2%の成長は達成できていない。 政府は国・地方の基礎的財政収支の 20 年度黒字化目標を堅持しているが、16 年度の基礎的収支赤字対 GDP 比は 3.7%と前年度の 3. 0%より拡大しており、中長期的な財政の持続可能性に対する不透明感が増 大する状況が続いている。こうした点を踏まえ、格付を据え置き、見通しを引き続きネガティブとした。 (2) 12 年末のアベノミクス着手から 4 年が経過した。近年は、企業収益は過去最高水準を記録、民間設備投
資がリーマンショック前の水準を回復し、雇用環境のタイト化が進む等デフレ状況の脱却に向けてアベノ ミクスの効果は着実に現れて来ている。他方、個人消費の持ち直しは緩慢な状況が続いており、特に若年 層の消費性向の低下が個人消費の重石となっている。この背景には、世界に例を見ない少子高齢化の進行 と、それに伴う将来不安の増大という構造的な問題が存在する。生産性上昇等を通じて潜在成長率を押し 上げることが重要であるが、実質 GDP 成長率は 13- 16 年度平均で 1.1%と「経済再生ケース」が想定する 2%を下回っている。政府は広範囲の成長戦略を策定し、実施状況を踏まえてそれを毎年強化しているが、 経済成長のポテンシャルの引上げ効果は未だはっきりと現われていない。J C R は、政府が、引き続き強固 なリーダーシップを発揮して成長戦略を着実に実施し、経済成長のポテンシャルを引き上げて「経済再生 ケース」を実現することができるかを注視していく。
(3) 16年度末の普通国債残高は 830. 6兆円(GDP 比 154. 5%)、借入金と国庫短期証券を合わせた国債及び借 入金残高は 1, 071. 6兆円(同 199. 4%)に達し、GDP対比で世界で最も高い水準にある。同年度の国・地 方の基礎的財政収支赤字は 20. 0兆円(同 3. 7%)で、税収下振れや経済対策等を背景に前年度の 15. 8 兆 円(同 3.0%)から赤字幅が拡大した。17 年度の新規国債発行予定額は 34. 4兆円で、前年度から殆ど圧 縮されておらず、借換債等を合わせた国債発行総額は 154.0兆円に上る。国債の円滑な消化を継続するに は、基礎的財政収支の改善を通じて政府債務 GDP 比の趨勢的な低下を実現し、中長期的な財政の持続性 に対する投資家の信認を維持することが重要である。基礎的財政収支を 20 年度に黒字化させるという目 標は、財政規律回復の中核的目標であると考えられるが、政府が経済危機再発以外の理由で同目標を放棄 した場合、内外の投資家の信認が大きく損なわれる懸念がある。同目標達成に向けた政府のコミットメン トの後退は、格付の変更要因となりうる。
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2%物価目標の達成は依然として未達成の状況にある。日銀は、金利操作と国債買入れ額の減額について、 双方のバランスを取りつつ金融政策を円滑に進めていくことが求められる局面に入りつつある。J C Rは、 こうした状況下において、市場における予想インフレ率の動向と金融政策の運営状況を注視する一方、金 利のボラティリティが一時的に急激に上昇するなど、国債の需給環境の安定性が損なわれることがないか、 注目していく。
(担当)増田 篤・遠藤 進一 ■ 格付対象
発行体:日本国(J apan) 【据置】
対象 格付 見通し
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格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2017 年 6 月 13 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:増田 篤
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp/ )の「格付関連情報」に「信用格付の
種類と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp/ )の「格付関連情報」に、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) 日本国(J apan)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した経済・財政運営方針などに関する資料及び説明
・ 経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が求める要件
を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依頼
に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及ぼ
す非公表情報を入手している。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラス
に登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g- 7(a)
項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は J C R のホームページ(http: / / www.jcr. co. jp/ en/ )に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■ 本件に関するお問い合わせ先